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goods「すきま風ストッパー」の季節

札幌は昨日、手稲山に初冠雪。
昼間にはあられも降った。
さすがに今日は、がっつりと冷え込んで寒かった。
北国育ちだとわかる感覚だが、雪の降り始めは底冷えがする。
雪が降って、積もってしまえばそうでもないのが不思議だけれど、
冬の始まりは本当に寒くて、こごえる。

リビングと玄関の間のドアは夏中、開け放していたが、
ついに今日はドアを閉めた。
同時に、季節用品として出したのが
2015年に購入した「すきま風ストッパー室内ドア用」。
わが家の冬のアイテムとして欠かせない。
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数年前までは11月や12月に設置していたが、
こちらもトシを取ったせいか、「もうつけちゃえ!」。
だからストーブは、まだまだ我慢できるかも・・・?


# by kikimimi_asabuya | 2025-10-21 17:23 | Others 他 | Comments(0)

雪、キターッ!


手稲山が今朝、初冠雪。
ついにきたか。

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いつもどおり5時に起床し、ちょっと寒いと感じたものの
昨日もかなり冷え込んでいたのでその延長かと思っていた。
なんとなく、ふと手稲山を見ると、山頂が白い。
雲もあったのでそのせいかと思ったが、雲が切れたら・・・。

カーッ! 降ったじゃん、雪。
周辺の山の頂も全体に白い。

私の記録によると、
昨年の初冠雪は10月20日で、「早朝に霰(あられ)」とある。
今のところ快晴で、あられが降るほど寒くはないが、
風はとても強い。
街なかの雪も、もう時間の問題だ。

昨年の今日は、ストーブの試運転もしている。
道産子はこの時季、
ストーブを焚くと「(寒さに)負けた」と冗談を言い合うが、
さて、わが家はいつまで頑張れるかな。






# by kikimimi_asabuya | 2025-10-20 08:08 | Others 他 | Comments(0)

mystery「ハウスメイド」

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いや、こわい、こわい、冒頭からコワイ。

大好きなミステリー作家の新刊がなかなか出ない時期に、
「こんなときは知らない作家の本も読んでみよう」と、
ミステリーのランキングで上位だった本書を選んだ。
『プロローグ』の3ページを読んだだけで、「お、面白そうじゃん」。
だが、本編を読み始めてすぐに「なに、これ。やだ〜っ!」。

刑務所に入っていた過去がある前科者のミリーが
ハウスメイドとして雇われた家が、いわゆる「ヤバイ」のだ。
ラブラブな夫婦と幼い娘が住む豪邸に、住み込みの職を得て、
不自由な車上生活はこれで終わり!と思ったのもつかの間、
何かがおかしい、なんだか「ヤバイ」のだ。

言ってみれば「死亡フラグ」が最初から立っている感じの恐怖。
絶対やめたほうがいいって!
行かないほうがいいって!
適当なこと言って早く逃げた方がいいって!
・・・と、1行、1ページ読むほどに、心の中でミリーに叫ぶのだけど、
当然、聞き入れてもらえない。
実際、彼女自身すぐに全身で「なにかオカシイ」と感じたにもかかわらず、
前科者の負い目と、車上生活に戻りたくない一心で、耐えるのだ。

昭和のドラマのように、
「メイド(お手伝いさん)だから
ご主人さまの理不尽な要求や意地悪な仕打ちにも耐えなきゃダメ」
というレベルのモノじゃない。
まるでホラー。
本好き、特にミステリー好きの私は滅多にしないことだけれど、
本書はどうしても先行きや最後や「無事かどうか」が気になり、
後ろのページをチラッと見たりして・・・。
ラストに近づくにつれ、「ええ〜っ」という展開になり、
結果、本当に面白かった。

著者は、作家であり脳科学者のフリーダ・マクファデン。
日本にも「医者で作家」は多いが、脳科学者というのも興味深い。
続編は12月に発行されるようだから、楽しみだ。


前科持ちで車上生活を続けるミリーは、豪邸で住み込みのハウスメイドの職を得る。はめ殺しの小さな窓があるだけの屋根裏部屋を与えられるが、鍵は外からしかかけられない。不可解な言動を繰り返す妻ニーナに、生意気な娘セシリア。美しくて優しい夫アンドリューはなぜ結婚生活を続けているのか。庭師のエンツォは何かを知っているようだが・・・。

「ハウスメイド」フリーダ・マクファデン著、高橋知子訳、ハヤカワ文庫刊


# by kikimimi_asabuya | 2025-10-19 19:24 | Books 本 | Comments(0)

cinema「おーい、応為」

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海外の画家にも影響を与え、世界中にファンを持つ浮世絵師・葛飾北斎。
彼に、弟子でもある娘がいたことは知っていたが、
こんなに魅力的な絵師だったとは・・・。

父を「鉄蔵」と呼び捨てにし、父の絵にも平気で口を出す。
豪快で男勝りで粗野ともいえる彼女だが、
その筆は、やわらかくて、優しくて、丸い・・・そんな女性を描く。
北斎自身が「美人画ではかなわない」と言い、
彼女の才能を認め「応為(おうい)」の号を授ける。

本作の応為は、長キセルでタバコを吸い、湯飲みで酒を飲む。
着物の着方も、裾は足が出るほど短く、襟元も緩い。
男物のような地味な色ばかり着る彼女に、別居する母が
「女は、赤いものをつけると優しくなれる」と勧める場面が良かった。
娘の中にある女らしさ、優しさを母はわかっているんだよね。

演じた長澤まさみについて、監督は
「長澤まさみという女優はいつだってすごくいい。
でもこの映画の長澤まさみは最高かもしれない」
と賛辞を送っているというが、本当にそう思えた作品だった。

江戸の後期に90歳まで生き、
その生涯で93回も引っ越したという逸話がある北斎。
語られているエピソードや当時の江戸の時代背景などが淡々と、
そして印象的に描かれている。
私には「まるで絵のよう」に見えたシーンがいくつかあった。
父と娘が並んで、床に四つん這いになり、
無言で筆をとっている姿は、特にいい光景だった。

少し前のTVで北斎の特集番組を何本か見ていた私だが、
北斎のすごさ同様に、本作を見て娘にもすごく引かれた。
北斎には永瀬正敏、
北斎の弟子で応為と友情をかわす実在の美人画絵師・善治郎に髙橋海人。

彼らが描いているシーンも素晴らしい。
長澤まさみと髙橋海人の2人が
某番組の番宣ゲストで話していたところでは、
「家の中に入る日の光の角度でカメラアングルが決まる」とか、
「練習部屋のような所で3人が黙々と絵を描いていた」ようだ。

実は来月、東京で、北斎の作品を鑑賞する予定。
現代のマンガやアニメに影響を与えたという、
先んじたアイデアや技法、その才能をたっぷり見てくるつもりだ。

監督・脚本:大森立嗣
原作:飯島虚心「葛飾北斎伝」(岩波文庫刊)、杉浦日向子「百日紅」(筑摩書房刊)より『木瓜』『野分』
出演:長澤まさみ、髙橋海人、永瀬正敏、ほか
公開:10月17日

北斎の娘・お栄は、夫の絵を酷評して見下し、父のボロ長屋に出戻る。父同様に破天荒で自由に生きる彼女だが、父譲りの才能が開き、北斎の右腕となっていく。北斎からいつも「おーい、おーい」と呼ばれることから「応為」の号を授けられ、当時は珍しい女性絵師として活動していく。美人画で名を馳せる絵師・善治郎との友情、兄弟子へのほのかな思い、愛犬さくらとの日々、そして父・北斎がその生涯で描く富士とは・・・。



# by kikimimi_asabuya | 2025-10-17 17:54 | Movies 映画 | Comments(0)

mystery「マーブル館殺人事件(上・下)」

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待ちかねた、アンソニー・ホロヴィッツの新刊文庫。
大ヒットした「カササギ殺人事件」と続編の「ヨルガオ殺人事件」に次ぐ、
第3弾が本書だ。

主人公で編集者のスーザンが担当するのは、作家アラン・コンウェイ。
彼が書く私立探偵〈アティカス・ピュント〉のシリーズは
世界的なベストセラーになるが、
アラン・コンウェイはある男性に殺害され、
スーザンが所属する出版社も焼失、彼女自身も瀕死の重傷を負った。
それにより、〈アティカス・ピュント〉シリーズは終わったかに思えたが、
本書でスーザンは、
〈アティカス・ピュント〉シリーズの続編の編集を依頼される。

執筆するのは、
世界的な児童文学作家を祖母に持つ若手作家エリオット・クレイス。
彼の原稿を読んだ彼女は、アラン・コンウェイらしい部分も感じつつ、
内容に、彼自身の家族関係が反映されていることに気づく。

この三部作に、作中作としてアラン・コンウェイの作品も登場する。
つまり、アンソニー・ホロヴィッツは自身の小説の中に、
別人が書いた小説を“入れ子”的に書いているのだ。
これが、面白い。

さらに面白いのは、スーザンに
「私は、別の作家が書き継ぐ続編というものが、まったく好きではない」

と言わせていること。
ホロヴィッツは、
コナン・ドイルの〈シャーロック・ホームズ〉シリーズも書いているし、
イアン・フレミングの〈007〉シリーズも書いている。
もちろん、それぞれの財団の公認で、あとを継いでいるわけだ。
そんな作家自身が、
「別の作家が書き継ぐのは好きではない」などと言わせるなんて。

スーザンと同業の私が興味深いのは、彼女の仕事ぶりだ。
編集者としてアティカス・ピュントやエリオット・クレイスの原稿を読み、修正すべき箇所を指摘、校正する。
「だよね〜」と思う箇所があるのは気持ちいい。
ホロヴィッツはつまり、
ちょっと難がある原稿もあえて書いているということだ。

ホロヴィッツを読み終わった直後はいつも、
「あ〜あ、読んじゃった」と寂しくなる。
もっとずっと読んでいたいな・・・。

本作のラストはなかなかステキだが、どうやらシリーズは続くらしい。
2027年から執筆するそうだけれど、ホロヴィッツには、
本人が登場する〈ホーソン&ホロヴィッツ〉シリーズもあるから
忙しいだろうに・・・。
作家の頭の中ってきっと、次々と、楽しいことでいっぱいなんだろうな。

「マーブル館殺人事件(上・下)」
アンソニー・ホロヴィッツ著、山田蘭訳、創元推理文庫刊


# by kikimimi_asabuya | 2025-10-12 20:42 | Books 本 | Comments(0)

札幌在住ライターの映画と本と綴りごと


by kikimimi_asabuya