cinema「俺ではない炎上」
2025年 09月 28日
時代に合わせ、Instagramを始めようかと思っていた矢先に、この作品。
「俺じゃない!」のに「俺だ」ということで炎上しているのは明らかだ。
SNSをしている誰もがこれを見れば、「明日は我が身」と思ったはず。
本作で、“アベちゃん”阿部寛が演じるサラリーマン山縣は、
若者の言葉遣いや態度にひと言言わずにはいられないタイプ。
本人は「家族も仕事も仲間も大切にしてきて、周囲からの信頼も厚い」
と思ってきただけに、
実はそうではなかったという事実を知った時の落ち込みようが、せつない。
あの年齢で思い知らされるのは酷だな〜と、ご同情申し上げます。
原作は「六人の嘘つきな大学生」の著者による新作。
映画化された「六人の〜」は、とても面白かったが、
本作もラストの展開など、なかなかに秀逸だ。
特に印象的だったシーンが2カ所。
一つは、“謎の大学生”芦田愛菜ちゃんがある男性に怒声を浴びせる場面。
荒々しい言葉で怒鳴る愛菜ちゃんには、ちょっと驚く。
「あんなふうに感情をあらわにすることはこれまであまりなかった」と、
ご本人も語っている。
もう一つは、“アベちゃん”阿部寛が
パンイチ(パンツ一丁)で高い崖から降りる場面。
濃い顔立ちでかつ肉体美の彼が、彫刻のような半裸で降りてくるのが、
逃亡している緊迫感にあっても、なかなかに滑稽で、笑える。
ご本人は当初、断ろうと思っていたらしいが
当日になって「ま、いいか」と。
それが、愛菜ちゃんいわく「何度見ても笑える」シーンになった。
今の時代、こんなことがどこで誰に起きても、おかしくない。
“身に覚えのない”ことで日本中から追いかけ回されるなんて、
考えただけでゾッとする・・・。
監督:山田篤宏
脚本:林民夫
原作:浅倉秋成「俺ではない炎上」双葉文庫※「六人の嘘つきな大学生」
出演:阿部寛、芦田愛菜、藤原大祐、長尾謙杜、夏川結衣ほか
公開:9月26日
大手ハウスメーカーに勤務する山縣泰介(阿部)は、ある日突然、殺人犯に仕立て上げられる。彼のものと思われるSNSアカウントから女子大生の遺体映像が拡散されたのだ。全く身に覚えのない事態に山縣は無実を訴えるが、ネットは瞬く間に炎上。匿名の群集たちが個人情報を特定し、彼と家族は日本中から追い回されることになる。山縣を追う謎の大学生サクラ(芦田)や大学生インフルエンサー初羽馬(藤原)、山縣の取引先企業の若手社員・青江(長尾)などが絡むなか、山縣は無実を証明し、真犯人を見つけることができるのか・・・。
by kikimimi_asabuya
| 2025-09-28 20:55
| Movies 映画
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