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mystery「法廷占拠 爆弾2」

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山田裕貴主演で映画化されると知ってすぐに読んだ「爆弾」。
それがあまりにも面白くて、
続編が文庫化されるのが待てずに単行本で購入したのが本書。

前作で逮捕された爆弾魔スズキタゴサクの裁判中に
法廷内で立てこもり事件が発生。
ろう城犯の要求は「ただちに死刑囚の死刑を執行すること」。
前作で交渉人としてスズキタゴサクと対峙した類家刑事は今回も
ろう城犯と交渉する高東刑事のサブに付くが、
「何かがおかしい」と思い始める。

SNSを巧みに利用するろう城犯と
犯人に暴力を受けても相変わらずヘラヘラと軽口をたたくスズキタゴサク。
そして、法廷内に囚われた100人の人質は、事件関係者を含む傍聴人。
その中には、前作で関わった二人の警察官もいる。

後半はもう、一気読み。
読まずにいられない臨場感と緊迫感に、ページを繰る手が止まらない。
このスズキタゴサクには本当に腹が立つ。
ヘラヘラと、淡々と、雄弁。
自身のことを卑下しながら、知識も表現力もあり、教養も感じさせる。
気持ち悪くて変態でゲスで、ムカっ腹は立つけれど、
強烈な印象だ。

どうやらまだスズキタゴサクと類家たちの物語が続きそうなラスト。
続々編が出るまで、
この「呉勝浩」という作家の他の作品も読んでみたくなった。

ちなみに、先日の業務試写で見せていただいた「爆弾」は
原作同様に、めっちゃ面白かった。
そして、スズキタゴサクはやはり、人にドス黒い感情を抱かせる天才だ。

「法廷占拠 爆弾2」呉勝浩著、講談社刊



by kikimimi_asabuya | 2025-09-26 20:38 | Books 本 | Comments(0)

札幌在住ライターの映画と本と綴りごと


by kikimimi_asabuya