cinema「ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ」

前作「ジョーカー」（2019）は、衝撃的だった。

いまや聖地巡礼する人も多いというロケ地の

階段（ステップ・ストリート）でのシーンは忘れられない。

続編となる本作でも登場するが、なんとも切ない。

決して後味の良い作品ではないのに、世界的にヒットしたのもうなずける。

今回、ワーナーの試写を見せていただいた際に、

「ネタバレ厳禁」は当然ながら、

「え、これもダメ!?」というNG事項や“ご相談事項”を頂いた。

また、本作のジャンルは「サスペンス・エンターテイメント」とのこと。

ジョーカーだからアメコミ映画？とか、

ガガさまと歌うシーンも多いのでミュージカル？かと思ったが、

サスペンス・エンターテイメント、です。

一夜にしてヒーローになったり、その逆もまたあり得る現代。

ジョーカーが祭り上げられるのもどうかと思うが、

本当は孤独で心優しい人だったことを考えると、やっぱり哀しい。

公式サイトによると

「フォリ・ア・ドゥ」とは、フランス語で「二人狂い」のこと。

妄想を持った人物Aと、親密に結びつく人物Bが共に過ごすことで、

Aから、Bあるいは複数の人々に妄想が感染し、共有されること、らしい。

獄中のジョーカーに近づく謎の女や

ジョーカーをヒーローのように賛美する群衆などが、それか。

そして、コピーどおり、「ラストに備えよ」だ。

前作と合わせて必見です（体力がいるけれど）。

監督･脚本：トッド･フィリップス

原題：JOKER:FOLIE A DEUX

出演：ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ、ブレンダン・グリーソン、キャサリン・キーナー、ザジー・ビーツ

公開：10月11日

コメディアンを夢見ていた心優しい青年アーサー（J・フェニックス）はやがて、悪のカリスマ“ジョーカー”に変貌。理不尽な世の中の代弁者として時代の寵児（ちょうじ）となっていた。ある日、彼の前に突然、謎の女リー（L・ガガ）が現れる。「生まれて初めて、オレは一人じゃないと思った」と彼女に傾倒していくアーサー。互いの狂気が伝播し、暴走した行方は…。