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本「翻訳夜話2 サリンジャー戦記」を読んだ

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 翻訳家柴田元幸と作家村上春樹が翻訳について語るシリーズ。昨年9月に札幌で開かれた「柴田元幸の翻訳教室」を受講した際、とても楽しかったので、直後に「翻訳夜話」「翻訳夜話2〜」を購入した。2人の対談や翻訳を収めてあり、同じ原作をそれぞれが翻訳したものは「なるほど、こんなふうに違うのね」と興味深かった。4月にまた札幌で「柴田元幸の翻訳講座」があるため、先月「2」を読了した。
 村上春樹が新訳を終えたサリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(2003年)の話題が中心。青春文学と言われ、若者たちのバイブル的な、あるいは犯罪者に影響を与えたともいわれている「キャッチャー」そしてサリンジャーという人について、2人が「語り尽く」している本。英語じゃないけど言葉の仕事をする私にとって、前作同様、本当に楽しく読んだ。

 私は、野崎孝訳「ライ麦畑でつかまえて」と村上春樹訳「キャッチャー」の両方を持っているのだけど、全く内容を覚えていないという情けなさ。もしかして、読んでいないのかも? “積ん読”だったのが書棚に入ってしまったとか? いずれにしても、2人の話を聞いている、いや読んでいると、2冊を読み比べたくなる。子どもの頃から本が好きで、ずっと読み続けてきたのだけど、トシのせいか、内容を覚えていないものも多くなってきた。そんなときはトホホな気分になる。なぜ残らないのだ、ワタシの頭よ。活字を追うだけの、ただの活字中毒か!?と自分を責めても始まらない。ゴールデンウイークは読書ざんまいとし、昔読んだ(はずの)本をもう一度読んでみよう。何か違う感覚が得られるかもしれないし、ね。

「翻訳夜話2 サリンジャー戦記」村上春樹・柴田元幸 著(文春新書)


by kikimimi_asabuya | 2019-04-06 16:41 | Book 本 | Comments(0)

札幌在住ライターの映画と本と綴りごと


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