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「ヘッセの読書術」を読んだ

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 某紙の特集で2年前、自分の「心の扉を開いた本」について取材したとき、アメリカ人のS氏が教えてくれたのが、ヘッセの「シッダールタ」。ヘルマン・ヘッセといえば、日本では「車輪の下」が有名だが、海外ではこの「シッダールタ」も知られているらしい。別のアメリカ人に聞いてみたが、やはり「ヘッセといえば『シッダールタ』」と言う。ネットの書評を見ても高評価。それでヘッセに興味を持ち(いいトシをして今更恐縮ですが)、2冊を購入したものの結局、読み慣れないせいかず〜っと“積ん読”チームだった。
そのうちの1冊に本書を選んだのは最近、本の読み方・選び方について、これでいいのか私!?と思っていたから。「古今東西の書物数万冊を読破した」読書家のヘッセ氏にご教授願おうと思った次第だ。
  
 読んでみると、140年以上前に生まれたドイツ人のヘッセ(1877-1962)がおすすめする本は、作家(特にドイツの作家)も書名も私の知らないものが多い。また当時の“書物のライバル”的な存在としてヘッセは、新聞やラジオを挙げている。新聞の連載小説についてはあまり良く思っていないようだけれど(笑)、新聞のニュース性については興味深いようだった。
本を所有することのこだわりや書棚への並べ方などは、書店員・出版社員だったヘッセだけに、なるほどと思えた。本の読み方・選び方についても「やっぱり、そうか」と気になっていたことを指摘された感じ。読むということの“質”を、活字と紙の良さを、改めて知った。
 本書でヘッセが紹介する本は各章ごとの最後に、タイトル、著者名、年代、内容などが資料としてついているので、詳しく知りたい人には良いガイドブックになるかも。私は飛ばして読みましたが・・・(苦笑)。「日本のある若い同僚に」という章があって、日本人から来た手紙に答えているのが興味深い。

「ヘッセの読書術」ヘルマン・ヘッセ 著(草思社文庫刊)


by kikimimi_asabuya | 2018-10-14 22:17 | Book 本 | Comments(0)

札幌在住ライターの映画と本と綴りごと


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