本「愛されすぎたぬいぐるみたち」
2017年 09月 19日
北海道新聞の日曜版に掲載の書評を見て、書店へ。
記事にあったクマは白黒だったが、
店頭の実物の表紙は、それとは違うピンクのクマ。
毛が抜けてへたっているのだけど、なんだか目が離せない。
撮影は、写真家のマーク・ニクソン。
ふとした思いつきから、人々の「大のお気に入り」のぬいぐるみを撮影し、
それを自身のホームページで紹介したことが世界中で話題となり、
ある出版社のラブコールを機に、写真集の刊行となった。
紹介されている61体のぬいぐるみはどれも
誰かさんの愛情をたっぷり、それはもうたっぷり受けたものばかり。
毛が抜けてへたっているどころか、
手足が取れたのを繕ったものや手足そのものがなくなっているもの、
“首の皮一枚”でとどまっているもの、
キスやよだれや涙でべとべとになっているのがわかるもの、など
「愛されすぎ」度合いが伝わり、他人のものながら愛おしい。
U2のボノが大切にしている「グレッグのクマ」には右耳がない。
「ミスター・ビーン」に登場するクマ「テディ」は
首を取られたり、洗濯で縮んだり、画びょうの目を与えられたり、
著しい変化を経て「健在」だ。
幼い子にとってぬいぐるみは、
飾っておく人形ではなく、いつも一緒にいる友達・相棒だ。
出かけるときも、ご飯を食べるときも、寝るときも、
もしかしたらお風呂に入るときも一緒だったかもしれない。
写真に添えられた持ち主の談を読むと
旅行に連れて行ったり、結婚しても一緒に寝ていたりする。
男女問わず。
ページを繰っていくと一瞬「おっ!?」と引くほど
ボロボロすぎるぬいぐるみも登場して、ホラー映画のようだけれど、
持ち主本人にしてみれば、
うれしいときも悲しいときもずっと一緒に居てくれた、
どんなときもじっと話を聞いてくれた、大切な「彼・彼女」だ。
絶対に手放せない。
最後のページには
「あなたが心から愛するぬいぐるみの写真」を貼り、
「その子の身の上話」を書くことになっている。
早速わが家の“あの子”を撮影した。
「愛されすぎたぬいぐるみたち」MUCH LOVED
写真・文 マーク・ニクソン(オークラ出版)
by kikimimi_asabuya
| 2017-09-19 20:51
| Book 本
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