人気ブログランキング | 話題のタグを見る

映画『彼らが本気で編むときは、』

映画『彼らが本気で編むときは、』_e0343244_09260990.jpeg

 「うん、こういう女の人、いるよね」と思えた、生田斗真のトランスジェンダーの女性。美男は美女にもなれる。『かもめ食堂』荻上直子監督の5年ぶりの新作は、彼女のアメリカでの生活がベースのよう。20代の6年間を過ごしたアメリカに、夫と双子の子どもと戻ったのが12年ぶり。そこでまた1年間暮らした彼女の周りには、ゲイやレズビアン、トランスジェンダーの友人・知人が多かったという。彼女が日本に帰国して、その率は激減。それは、「いない」のではなく、「いないことになっている」。ひっそりと暮らしている。それはオカシイと感じる監督。確実に存在しているのに、存在しづらい世の中を…。
 自分が生んだ子どもが男の子だと思っていたら、内面が女の子だったと知った母親は、子どもにおっぱいを作ってあげる。「あなたは女の子だからね」と。このお母さん、すごい! 

監督・脚本:荻上直子
出演:生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、りりィ、田中美佐子、ほか

 母(ミムラ)と二人暮らしの小学5年生のトモ(柿原)。母がまた男といなくなった日、トモはいつものように叔父のマキオ(桐谷)の元に向かうが、彼の部屋には、恋人リンコ(生田)がいた。母からコンビニのおにぎりばかり与えられていたトモは、リンコのおいしい手料理に家族の温もりとやすらぎを感じる。お弁当を作ってもらうなど、リンコに信頼を寄せていくトモ。ある目標のために編み物をするリンコを手伝おうと、トモもマキオも編み物をする。ちょっとみんなと違うリンコはこれまでも、何かあるたびに編み物をすることで気を静めてきた。彼らが思いを込めて一生懸命編んだものの先には…。

 家族がテーマの映画を見るといつも思うのが、時に、血のつながりよりも、一緒にいる時間が家族をつくるのだということ。そして、なんだかんだあってもやはり親は子を思い、子は親に愛されたいと願う。だから家族はやっかいなのだ。2月25日公開。


by kikimimi_asabuya | 2017-02-25 09:26 | Movie 映画 | Comments(0)

札幌在住ライターの映画と本と綴りごと


by kikimimi_asabuya