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映画『サバイバル・ファミリー』

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 現代で、もしも電気がなくなったら?がテーマ。主人公となるのは、父権消滅している典型的な家族。父権も電気も消滅してどうなる!? 日ごろから電気には感謝しているつもりだけど、具体的に「電気がない生活」を想像してはいなかった。私自身、ちょっと古い世代の生まれだから、電気釜がなくてもご飯は炊けるし、レンジがなくてもなんとかなると思う。でも今の世の中、電話(固定電話)も電池(充電池)さえも、電気がないと使えないということをこの映画で思い知った。そして、どんなに高価なブランドものも水1本には値しないことも。自分の手足、五感が一番役に立つことも…。

監督・原案・脚本:矢口史靖
出演:小日向文世、深津絵里、時任三郎、藤原紀香、柄本明、大地康雄、ほか

 東京の、平凡に暮らす鈴木一家は、さえない父(小日向)と天然な母(深津)、寡黙な長男とスマホ命の長女の4人家族。それぞれが勝手なことをしているバラバラな家族、でも現代ではどこにでもいそうな家族だ。だがある朝突然、電気が使えなくなる。時計のアラームに始まり、冷蔵庫、TV、パソコンにスマホという電化製品から、これも電気だったの!?と思うモノまでが動かない。1週間たっても電気は回復せず、さえない父は決断を下す。よし、東京を出よう!と。自転車で東京脱出を図るが、家族は、父親の言う通りがいかにアテにならないかを知る。だがサバイバルは必至。父権復活も必死。食料確保のために草や虫にも注目し、野ブタを追いかける。家族の団結力が試される鈴木家の父権と東京の電力は復活するのか…。

 とても納得したのは、サバイバルな状況では、高級ブランド品よりも1本の水が重要だということ。生きていくのに見栄は必要ないのだ。こんなときに使えないモノに人々は大金をはたいてきたなんて(といっても、わが家にはブランド品などないけど)、と猛省。「あんなに体を使った作品は初めて」という小日向さん。芝居が出来ずに必死に逃げる豚を、必死でしがみついたり、虫が大嫌いなのにアオムシを食べようとするシーンがあって、卒倒しそうになったよう。見ていても十分伝わる(苦笑)。電気がない時代に逆戻り、いやもっとそれ以前の時代かと思えるが、意外にシンプルで、家族が協力し合って、いいかも!? 2月11日より上映中。


by kikimimi_asabuya | 2017-02-13 23:56 | Movie 映画 | Comments(0)

札幌在住ライターの映画と本と綴りごと


by kikimimi_asabuya