「シャイニング」を読み直した

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ディズニーの行き帰りでずっと「シャイニング」を読んでいた。
夢の国への旅なのに、閉鎖されたホテルでの惨劇を読むなんて。
案の定、夜のホテルの長い廊下は
いくらディズニーでもさすがにちょっと怖かった。
「そこの角を曲がったら・・・?」

「シャイニング」はスティーヴン・キングが30歳ころの作品。
「キャリー」(1974)、「呪われた町」(1975)に続いて、
1977年に書かれた長編3作目で、
私の書棚の「キング」コーナーでも最初の方に並んでいる。
読んだはずだが記憶がなく、思い出すのは
ジャック・ニコルソン主演の映画、あの恐怖のシーンばかり。

それをなぜ今さら読むかというと、
最近買ったキングの新刊文庫が、
「『シャイニング』から30年後」の物語だから。
上下巻を読み終えてすぐに新刊を読み始めたが、
冒頭はまだ「あれから3年後」くらいなので、
あの惨劇から逃れたばかりの感が残っている。

「シャイニング」が映画になった70年代はホラー映画の全盛期。
キングの「キャリー」はホント、怖かったし、
「エクソシスト」「オーメン」「ローズマリーの赤ちゃん」「サスペリア」「ジョーズ」「ゾンビ」・・・。
日本でも横溝正史の作品が次々と公開された時代だ。
そういえば、よく行ったなぁ、映画館に。
大きなスクリーンで見ると、ホント、怖かった。
特殊効果的なものは今よりもチープだったはずなのに・・・。
それにしてもなぜあんなにホラー人気の時代だったのだろう。

若い頃のキングの作品、とはいえ、すでに
圧倒的な描写力とスピード感、緊張感にあふれていて、
自分もその場にいるように思える。
さすが、キング。
さて、30年後に何があったのか、楽しみ、楽しみ。

「シャイニング」
スティーヴン・キング著/深町眞理子訳(文春文庫)


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# by kikimimi_asabuya | 2018-11-11 08:17 | Book 本 | Comments(0)

やっぱりディズニー!!

年1回の家族旅行には、TDR(東京ディズニー・リゾート)へ。
ちゃんと数えていないけど、20回以上は行っている。
昨年は「そろそろ“他国”も見てみよう(笑)」と
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)へ行ってみた。
でも結局「わが家にはディズニーが合ってるね」と全員一致。
一昨年初めてクリスマスシーズン真っただ中に行って大感激したが、
今年は10/29~/31だったので、ハロウィーンのど真ん中。
仮装した人だらけで、楽しかった〜。

東京のどこぞの馬鹿騒ぎハロウィーンと違って、
ディズニーの仮装は、ディズニーキャラクターに限り、
顔が見えないものはNG、という決まりがある。
あれは誰、これは何のキャラ、と家族で言い合うのも楽しかった。
アトラクションで並んでいると隣に「マレフィセント」がいたり、
タコ足ドレスの「アースラ」が真剣に化粧直しをしていたり、
ジョニー・デップ本人かと思うほどの「ジャック」とすれ違い、
思わず「え、ジャック!?」と言ってしまった私に、
ジャックらしいあいさつを返してくれたり・・・
(彼は持っていた携帯ケースも海賊ジャック仕様で、完璧だった)。

みんな、パークの中で写真を撮るのが一番の目的なので、
この期間、特にハロウィーン本番の31日は
人気のアトラクションの待ち時間が信じられないほど短かった。
アトラクションに乗りたいなら、こういう時期を狙うと良いのね。


わが家が毎年、最初に行くのはランド。
まず「チャイナボイジャー」で腹ごしらえ、が定番。
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リニューアルされた「イッツ・ア・スモール・ワールド」。
いつも一緒に行く母(83)の大好きなアトラクションで
彼女はこれを、「世界じゅう」と呼んでいます。
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「世界じゅう」の前の花壇が、とてもきれい!
こんなふうに色がバラバラでもかわいいもんだな〜と思いました。
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シンデレラ城もハロウィーン。
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「シー」の火山にこんなに近づいたのは初めてかも。
毎回発見があって楽しいワ。
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3日間とも最高の天気、素晴らしい青空と雲。
メディテレーニアンハーバーを見ながらのクルージングは
いつものんびり。どこを撮っても絵になる。
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そうでした、TDRは35周年でした。
おめでとう、そして、いつもありがとう!
“帰国”してもう「また行きたい!」と言っている私たちディズニー家族が、
来年は84歳になる母とまた行けることを願って・・・。
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# by kikimimi_asabuya | 2018-11-10 17:21 | Event イベント | Comments(0)

映画「ボヘミアン・ラプソディ」

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 女王陛下の名を冠したバンド「クイーン」のリード・ボーカル、フレディ・マーキュリーの生涯を描いた作品。マイケル・ジャクソンもそうだったけど、世界の頂点に立ったアーティストは皆、孤独なんだな・・・。音楽界の偉大な才能は「孤独」で失われるのだと思った。本作で使用されているクイーンの名曲28曲は主に本人の歌声で、映像と共に聞くとやはり、鳥肌が立つほどかっこいい。音楽総指揮は現メンバー(ってことは、クイーンは解散していない?)のブライアン・メイとロジャー・テイラー。曲ができたいきさつなども描かれていて、あの曲はこんな偶然から生まれたの!?なども面白い。ラスト21分の「ライブ・エイド」のシーンは圧巻です。当時を思い出して泣ける、泣ける。フレディを演じたラミ・マレックはフレディそのものだけど、他のメンバーも「本人たち!?」と錯覚するほど、そっくり。現代の映像技術で本人たちを「連れてきた?」と思いましたよ。フレディの圧倒的な歌唱力と奇抜な衣装はさることながら、クイーン全員のコーラスの美しさに改めて感動。「We are the champions」と歌い上げるこの人たち、本当に素晴らしい。当時もっと、しっかり聞いておけば良かったと後悔。本作は、私の今年の洋画ベストにすぐランクインしましたよ。も一度見るぞ、絶対に。サントラもDVDも買うぞ、絶対に。11月9日公開。

監督:ブライアン・シンガー
脚本:アンソニー・マクカーテン
原題:BOHEMIAN RHAPSODY
音楽総指揮:ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー
出演:ラミ・マレック、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョー・マッゼロ、ルーシー・ボイントン、エイダン・ギレン、トム・ホランダー、アレン・リーチ、ほか

 1970年、ロンドン。生い立ちや容姿にコンプレックスを持つ若者フレディ(R・マレック)は、ライブハウスで演奏していたあるバンドのボーカルが脱退したことを知り、メンバーのブライアン・メイ(G・リー)とロジャー・テイラー(B・ハーディ)に自分の歌を売り込む。その1年後、ジョン・ディーコン(J・マッゼロ)が加入し「クイーン」が誕生。シングル「キラー・クイーン」が大ヒットし、その後も次々と名曲が生まれていくのだった。だがフレディはメンバーと対立するようになり、スキャンダルも書かれて孤独になっていく。1985年、フレディは自身の秘密をメンバーに打ち明け、崩壊寸前だったクイーンは20世紀最大の音楽イベント「ライブ・エイド」に出演する。


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# by kikimimi_asabuya | 2018-11-09 20:21 | Movie 映画 | Comments(0)

映画「アンクル・ドリュー」

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 ペプシが2012年に制作したプロモーション用CMの映画化。バスケット界の伝説の“じいさん”が若者に挑戦を挑み、神業プレーを連発するというCMだという。その“じいさん”は、NBAの現役スター選手、カイリー・アービング。本作は、そんな現役のNBA選手たちが特殊メイクで“じいさん”になり(一人、女子もいますが)、若者たちに試合を挑むというもの。チームメイトとして登場する“じいさん”たちは、バスケファンなら垂涎の選手たちのようだ。申し訳ないが私は全く、誰一人知らない。ドリューが昔の仲間を集めていく課程は特にどうということもないのだけど、後半のバスケの試合の場面は楽しい。美しい軌跡を描いてゴールネットに入っていくボールを見るのは、楽しい! テニス、プロレスなどスポーツ関連の映画が多かった今年。現在日本で公開中の「走れ! T校バスケット部」もバスケ映画だけど、これでバスケが熱くなるか!? 11月9日公開。

監督:チャールズ・ストーン三世
脚本:ジェイ・ロンジーノ
原題:UNCLE DREW
出演:カイリー・アービング、シャキール・オニール、クリス・ウェバー、レジー・ミラー、ネイト・ロビンソン、リサ・レスリー(以上、NBA選手)、リルレル・ハウリー、ニック・クロール、ほか

 ニューヨーク・ハーレム。マイケル・ジョーダンに憧れていた青年ダックス(L・ハウリー)は、プロのバスケットボール選手になる夢をあきらめ、ストリート・バスケットのチームを運営。バスケの聖地ラッカー・パークの大会「ラッカー・クラシック」で優勝することに夢を託していた。だが宿敵ムーキー(N・クロール)にチームを横取りされてしまう。そんなとき、ダックスは練習場で、神業プレーを見せるじいさんに遭遇。実はじいさんは、バスケ界で伝説の男「アンクル・ドリュー」(K・アービング)だった。ダックスが彼にラッカー・クラシックでのプレーを持ちかけると、ドリューは、チームメンバー全員を自分が決めることを条件に承諾する。かくして、ダックスとドリューの、仲間を集める旅が始まる。


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# by kikimimi_asabuya | 2018-11-08 23:03 | Movie 映画 | Comments(0)

映画「華氏119」

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 報道番組で見ない日はないトランプ大統領の顔と、聞かない日はない彼の“遠慮のない”発言の数々。そんな彼に“アポなし突撃男”ムーア監督がついに宣戦布告。トランプが大統領選で勝利宣言をした11月9日をタイトルにしたドキュメンタリーを発表した。「これが公開されればトランプ王国は崩壊する」とまで言うムーア監督だが、実は当初から、トランプの勝利を予測していたという。それはなぜか。「オオカミが来たぞ〜」のウソつき少年の話じゃないけれど、私たちも「ほら、また始まった・・・」とトランプの言動に“慣れっこ”になっていないか!?という、ムーア監督のスルドイ問いかけでもある。トランプの再選だけは絶対に避けたい!というムーア監督の思いをビンビン感じる映像がいっぱいだ。娘のイヴァンカを異常に溺愛する数々の場面、ヒトラーとトランプの政権の類似性、ブッシュもヒラリーもオバマも登場し、痛快で、アブナイ。編集も、背景の選曲もうまい。また、権力と闘う人々の行動も追いかけ、立ち上がり声を上げることの大切さを伝える。ムーアのメッセージがアメリカの人々に届くと良いのだけれど・・・。   
 私は冒頭の、「トランプができていく」シーンがとても好き。ある意味で芸術だし、それこそフェイクそのものだ。11月2日公開。

監督・脚本:マイケル・ムーア
原題:Fahrenheit 11/9
字幕監修:池上彰

 2016年11月7日、投票前夜のアメリカ。人々は、まもなく誕生する初の女性大統領に熱狂していた。ところが当選したのは、圧勝のはずのヒラリー・クリントンではなく、公職未経験のビジネスマン、ドナルド・トランプ。得票数はヒラリーの方が多かったのにトランプが当選した“からくり”を明かしていくムーア。またヒトラーの演説映像にトランプの演説の声を重ね、「ドイツ・ファースト」を掲げたヒトラーと、今のトランプ(アメリカ・ファースト)が同じでは、と訴える。「4年、8年、16年だっていい!」と豪語し、2期目へやる気満々のトランプ。さて、アメリカの未来は・・・?


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-29 04:37 | Movie 映画 | Comments(0)

映画「ヴェノム」

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 街なかでこのポスターを見上げた男の子がうれしそうに「うわ〜っ、すご〜い」。すると、手をつないでいた母親が「え〜!? だってコレ、よだれだよ〜」。・・・という光景を見た。そう、よだれがまだ身近な年齢の彼には、コイツのよだれのすごさがわかったのかも。アゴが裂けんばかりの大口とよだれと不ぞろいに並ぶ鋭い牙、長い舌は先端が細く、不気味な動きが時に滑稽。言うことは結構、ブラックジョーク。そんなヴェノムを見ていて思い出したのが、「デスノート」のリュークと「暗殺教室」の「殺せんせー」だった。同類?
 「スパイダーマン」のコミックブックで悪役として描かれていたというヴェノムが、アンチヒーローとして読者に支持され、シリーズが作られたらしい。本編のラストでアニメの「スパイダーマン」が登場していたのは、そういうことからか・・・。

 正義感あふれるジャーナリストの主人公エディと、地球外生命体の合体がヴェノム。昔、「世の中の善人と悪人は同じ数。それは、1人の中に善と悪の要素があるから」と聞き、納得したことがある。映画やアニメでもよく見る、天使と悪魔の葛藤シーンだ。本作でも、エディが内なるヴェノムに言うセリフ「悪人は(食べても)いいけど、善人はダメ」に、ヴェノムが「(それを)どうやって見分ける?」というのがあるが、全くその通り。人は見かけではわからない。これに対してエディが「なんとなくわかるんだ」と答えるラストが好き。そういう嗅覚や触覚は日頃から鍛えておかなきゃ、ね。
 「グレイテスト・ショーマン」でバーナムの妻を演じたM・ウィリアムズが、エディの恋人役でミニスカートとハイソックスで登場しているのには、ちょっとビックリ。11月2日公開。

監督:ルーベン・フライシャー
脚本:スコット・ローゼンバーグ&ジェフ・ピンクナー、ケリー・マーセル、ウィル・ビール
原題:VENOM
出演:トム・ハーディ、ミシェル・ウィリアムズ、リズ・アーメッド、ほか

 宇宙で、ある“サンプル”を採取した「ライフ財団」の宇宙船が地球に帰還する際に不時着。ジャーナリストのエディ(T・ハーディ)は、財団が人体実験で死者を出しているという情報を入手し、トップのドレイク(R・アーメッド)に直撃取材するが、それが元で会社をクビになり、恋人アン(M・ウィリアムズ)とも別れることに。財団の科学者の手引きで研究所に侵入したエディは、被験者と接触したことから地球外生命体に寄生されてしまう。それにより、彼の中に潜んでいた「悪」が解き放たれ、ヴェノムが誕生するのだった。

  

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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-28 10:56 | Movie 映画 | Comments(0)

映画「スマホを落としただけなのに」

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 “アナタのことをアナタより知っているのがスマホ”という。確かに、アドレスやSNSのやりとりを見れば人間関係がわかるし、スケジュールを見れば日常の行動もわかる。自分が記憶できなくてもスマホがちゃんと覚えていてくれるから、スマホがなければ何もできないという人も多いだろう。あること無いこと“身に覚えのないこと”を書かれ、それがネット上に拡散されて・・・ということもあるだろう。本作はそんな、とても身近な道具を使った、誰の身にも起きそうなサスペンスだ。スマホのデータが盗まれていく経緯は興味深くて面白かったが、現実にあり得る話だけに、下手なホラー映画より怖い。撮り方も無駄にコワイと思ったら、監督は「リング」の中田秀夫。そんなに怖く撮らなくてもいいんじゃない?と思うくらい怖かった。スマホを乗っ取られて起こる不気味な出来事、疑心暗鬼が生じる恋人たち、連続殺人事件とそれを追う刑事、そして、ある秘密・・・と、少々てんこ盛り過ぎる気もするけれど、「スマホは絶対になくしちゃいけない!」と痛感させられます。11月2日公開。

監督:中田秀夫
脚本:大石哲也
原作:志駕 晃「スマホを落としただけなのに」(宝島社文庫)
出演:北川景子、田中圭、千葉雄大、バカリズム、要潤、成田凌、ほか

 麻美(北川)はある日、知らない男性から、恋人・富田(田中)のスマホを拾ったという電話を受ける。男性の言う通りの方法で富田のスマホを受け取った麻美だが、その日を境に不可解な出来事が起こる。富田のスマホから個人情報が流出したのかと思った2人は、ネットセキュリティ会社に勤める浦野(成田)に安全対策を設定してもらう。だがその後、誰にも見られたくない麻美の写真がSNSにアップされ、同僚やかつての恋人からも疑われてしまう。その頃、人里離れた山中で若い女性の遺体が次々と発見され、事件を担当する刑事・加賀谷(千葉)は、ある共通点に気づくのだった。


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-27 22:16 | Movie 映画 | Comments(0)

映画「サーチ」

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 脚本が面白いと、その作品の面白さは半分保証されているようなもの。残りの面白さは監督や俳優、その他諸々にかかる・・・と私は思っている。本作のように脚本に加えて映像も斬新だと、かなり楽しめる。映像が斬新といってもCGとかナントカを駆使してではなく、100%すべてPC画面上の映像なのだ。それを知ってはいてもどういうことか想像がつかなかったが、見始めてまもなく、「コレ、すごいかも」とワクワクしていた。現代は大抵のことをPCやスマホなど手元ででき、街中の監視カメラや動画配信からライブ映像を入手でき、誰がどこにいるかもわかる。知られすぎてコワイ気はするが、本作ではそれが功を奏する。PC画面でカーソルが動き、フォルダが開かれ、メールのやりとりが残る。出ない電話の音にハラハラし、一瞬チラッと写った映像や人物は二転三転するストーリーの伏線となって・・・というサスペンス。
 脚本を書いた2人は大学の映画制作クラスで、指導助手と学生という立場で出会い、やがてパートナーとして映画制作をするようになった。チャガンティが全編グーグル・グラスで撮影した短編映画が話題となり、後にGoogle社に招かれるが、このスキルを本作に適用したという。撮影にはPCや監視用の固定カメラだけでなく、iPhoneも使用。だから役者が自分を撮りながら演技するという場面もある。
中盤に来て結末は想像がつくのだけれど、ではなぜそうなるかがわからない。だからずっと引き込まれて見てしまい、ラストで納得。気になる箇所があれば、それは間違いなく、気にすべき箇所というわけだ。冒頭で、家族の出来事の初日ばかりを集めた「初日集」のファイルを開く場面がいい。アルバムをめくるように、PC上で家族の歴史がわかり、家族が今どんな思いで日々を送っているかがうまく説明されている。10月26日公開。

監督:アニーシュ・チャガンティ
脚本:アニーシュ・チャガンティ&セブ・オハニオン
原題:Searching
出演:ジョン・チョー、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー、ミシェル・ラー

 3年前に妻を亡くしたデビッド(J・チョー)は、残された娘マーゴット(M・ラー)を育てるシングルファーザーだが、高校に入学した娘との関係はぎこちない。デビッドの弟ピーター(J・リー)はそんな父娘を気にかけている。ある日デビッドは、学校に行った娘にFacetimeで連絡を入れるが、彼女は「今日は勉強会で徹夜になるかも」とテキストメッセージで返すのだった。だがその日の深夜、マーゴットからデビッドへ何度か着信がある。熟睡して気づかなかった彼は翌朝、彼女に返信するが、あらゆる手段でも連絡が取れない。通っているはずのピアノ教室に連絡すると、半年前に辞めており、友人たちとキャンプに行ったという情報を入手するが、彼女は不参加になったという。ついに警察に連絡したデビッドは、担当のヴィック刑事(D・メッシング)から、マーゴットについて彼が知らなかった事実を次々と聞かされるのだった。

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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-24 07:59 | Movie 映画 | Comments(0)

映画「旅猫リポート」

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 始まってすぐ、あるいは資料のあらすじを数行読んだだけで多分、大抵の人は結末がわかる。そしてその通りになるのだけれど、結末云々ではないのが本作の意図するところか。猫は名演技。資料によればこの主役猫ナナちゃんは、セルカークレックスという種のオスで、ドラマやCMの出演歴も多い。どうりで名演技。高畑充希の吹き替えには、ずっと1人(1匹)で生きてきた気の強いナナの雰囲気がよく出ている。高畑をはじめ大野拓朗、木村多江とNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」メンバーがそろっているが、「大野クン、なかなかステキになってきたワ」と思いました。10月26日公開。

監督:三木康一郎
脚本:平松恵美子
原作:有川浩「旅猫リポート」(講談社文庫)
出演:福士蒼汰、高畑充希(声)、広瀬アリス、大野拓朗、山本涼介、竹内結子、ほか

 野良猫として誇り高く生きてきたナナ(声・高畑)。ある日、交通事故に遭って大けがを負い、助けてくれた青年・悟(福士)と暮らすことになる。飼い猫として幸せな日々を送っていたが、ある事情で悟はナナを手放す決心をする。新しい飼い主を探すため、ナナと一緒に車で旅に出た悟は、これまでの人生で出会った大切な人たちを順に訪ね、ナナを預けようとするが・・・。


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-23 08:38 | Movie 映画 | Comments(0)

気がつけば、閉店。またまた。

麻生のミスドが閉店していた。
えーっ、なぜ!?
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麻生で37年間営業していたとのことだけれど、
決して客がいなかったわけではないのに、なぜ!?
何か不祥事でも?
客層が悪かった?
だってミスド、ミスタードーナツでしょ!?

私自身は甘い物があまり好きではないので
ドーナツも特に・・・なのだけれど、
娘が生まれてからは、かわいらしい景品目当てでよく行った。
麺類や点心もあり、コーヒーもおかわり自由だから、
仕事の合間、取材ノートをまとめるときなどもよく利用した。

麻生店の閉店に驚いたので、ネット検索してみたところ、
札幌市内のミスドは麻生店を含む4店が、
今年に入って閉店していた。
どこも比較的長く営業していたところばかり。
閉店の理由は、入居する建物の老朽化もあるようだが、
麻生店の入っていたビルは今も取り壊されることなく、
他のテナントが入ったまま、現在も立っている。
ミスドだけが出て行った・・・。

ミスドは今日現在、札幌市内で22店舗。
北区にはもう、北24条駅前店とJR札幌店しかない。
もちろん、いつも通っていたわけではないのだけれど
ミスドがない街になった、というのが、寂しい。
TVCMを最近またよく見るのだけれど、「ウチにはないの」。

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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-22 22:48 | Other 他 | Comments(0)

映画「カメラを止めるな!」を再び見る

札幌でもロングラン上映中の「カメラを止めるな!」。
世間では「カメ止め」と言われているらしい。
いや、本当に面白い、というか、素晴らしい作品なのですよ。
ほぼ無名の監督がワークショップの参加者を配役した作品だけど、
とにかく脚本がうまいっ!
文字通り“カメラを止めない”ノンストップのワンカット撮影に
ただ、ただ、拍手。

本作が最初にお披露目したのは昨年11月、6日間のレイトショー。
またたくまに口コミで話題となり、その後全国で拡大上映中だ。
札幌はすぐに終了するだろうと思っていたが、
8月10日から上映中のディノスシネマズ札幌劇場に聞くと、
好評なので少なくとも11月いっぱいは上映するという。
札幌シネマフロンティアでも10月5日から上映を始めた。

ということで今日、ディノスで2度目の鑑賞。
「山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影中の自主映画チームが、本物のゾンビに襲われて・・・」としか内容を言えない。
これ以上何か言えば、ネタバレになってしまうからだ。

噂を聞いて見に来る人もいれば、
「もう一度見たい」
というリピーターが多いこともロングランの要因。
札幌劇場の担当者によると、
「内容を誰かに話したい。誰かと語り合いたい。
でもネタバレになるから、一緒に見て、その後語り合う」
という傾向もあるらしい。
確かに私も今日は家族と見に行き、その後もずっと
「あのシーン」「あのセリフ」について語り合った。

初回で見たときには、小学生くらいの子どもと母の姿もあったから、
老若男女皆で見られ、ゾンビは出るけど怖くない映画、といえる。
ただ、
「たとえ作り物でも血がドバドバはダメ」という人にはNGかも。

この「カメ止め」を40回以上見ている人もいるという。
そこまででなくても、2、3回は見たいし、
2度目の方がきっともっと楽しめるはず。
正月まで持ち越してくれれば、
こんなにすばらしい年末年始の娯楽映画はない。
私の関係者の皆さま、「カメ止め」を見て一緒に語り合いましょ!


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-21 19:13 | Movie 映画 | Comments(0)

「シャイニング」を読み直す

少し前、スティーヴン・キングの新刊文庫を買った。
「ドクター・スリープ(上・下)」。
それが「シャイニング」の続編になっているという。
キングのほぼ全作(文庫本)を持っているので、
書棚のキングコーナーには「シャイニング」も並んでいるのだけど、
さて、もう一度読むべきか・・・。
コワイ。

本も映画も、とにかく心底怖かったという記憶しかない。
「ドクター・スリープ」のレビューは皆、絶賛しているが、
「『シャイニング』を読んでからだと面白さ倍増」とか・・・。
そうか、仕方がない、腹をくくるか。

というわけで今、「シャイニング」を再び読んでいる。
私の読書タイムは移動中のみなので本は必需品なのだけど、
「シャイニング」を持ち歩いているというだけで、コワイ。
「私は今『シャイニング』を持っている」という事実がコワイ。
勤務先で早朝、節電中で暗闇の長い廊下を歩く時、
その先に誰かが見えそうな気がして、コワイ。
つい最近まで何も感じなかった、ただの“暗闇の長い廊下”なのに。
もう、毎日が「シャイニング」。

改めて本の扉をめくると、
「深いかがやきを持つジョー・ヒル・キングに」と献辞がある。
私が読んだ当時はおそらく「誰?」と思っただろうけど、
ジョー・ヒルとはキングの息子で、彼も今、
小説家となってホラーを書いている(これがまた結構コワイ)。
ジョー・ヒルは72年生まれ。
「シャイニング」が発表されたのは77年。
そうか、彼は「シャイニング」の頃まだ4〜5歳の
「深いかがやきを持つ」子どもだったのか。
「シャイニング」の子どものように・・・。

一度読んだ本を読み直すことはほとんどない私だけれど、
若かりし頃のキング作品を読み返すのも楽しいものだと気づいた。
47年生まれのキングが30歳のころに発表した「シャイニング」。
「ドクター・スリープ」は2015年発表だから68歳ころの作品。
瀕死の交通事故を経験し、
年齢的にもあちらこちらが衰えているだろうけれど、
詳細な描写力や、読者をグイグイ引き込む内容に変わりはない。
キングはやっぱり、ホラーのキングだ。

早く読んじゃお、「シャイニング」。

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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-20 20:55 | Book 本 | Comments(0)

映画「億男」

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 まず何が良かったってアナタ、佐藤健と高橋一生の共演! この2人があまり売れていなかったころから好きだった私には、うれしいコト。次に、本作のテーマとして引用されるのが落語の名作「芝浜」だというコト。2人が出会ったのが大学の落研だったという設定から落語がちょいちょい引用されるのだけど、この「芝浜」は、お金と夢が絡む話。泣ける話なのですよ。私は立川談志の「芝浜」で泣き、立川談春の「芝浜」でまた泣き、でした。
 本作の落語指導は立川志らく。驚いたのは、高橋一生の落語の上手さ! 間の取り方やしゃべりの調子が上手い。佐藤健クンより上手い。    
 あればあるほどいいのがお金だと普通は思うけれど、いやいや、そんなこともないよ〜と、元銀行員の私は思う。数千万円が無造作にカゴに放りこまれているのを見てきたが、「お金って紙なのね」と当たり前だけれど思ったものだ。紙にこんなに翻弄されるなんて・・・。本作でもいわれているが、1万円と1円の重さは同じ。お金の価値って何だろうと考えさせられる作品。10月19日公開。

監督:大友啓史
脚本:大友啓史、渡部辰城
原作:川村元気「億男」
出演:佐藤健、高橋一生、黒木華、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也、ほか

 3千万円の借金をして失踪した兄の保証人となった一男(佐藤)は、昼夜働いて借金を返済する日々。妻(黒木)は、借金のことしか考えない一男に愛想を尽かし、娘を連れて別居。そんな一男は宝くじで3億円を当てるが、不安に駆られ、いまや億万長者になった大学時代の親友九十九(高橋)にアドバイスを求める。九十九と豪遊し、酔い潰れた一男が翌朝目を覚ますと、3億円も九十九も消えていた・・・。一男は、かつて九十九と起業した仲間で、ギャンブル好きな実業家の百瀬(北村)やマネーセミナー教祖の千住(藤原)、10億円を隠し持つ主婦の十和子(沢尻)を訪ね歩く。

 


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-19 21:13 | Movie 映画 | Comments(0)

映画「ハナレイ・ベイ」

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 原作は、ハワイが舞台の村上春樹作品。私にとってのハワイといえば昔、札幌のFMラジオ局の懸賞か何かで「ハワイに当選」したことがある。番組で「当選者」として私の名前が呼ばれ、放送を聞いていた知人からすぐ、お祝い電話があった。が、後日届いたチケットは、ホテルの宿泊券のみ。つまり「交通費は自費で」ということ。なんと中途半端な! それとも元々そう意味だったのか!? チケットが届くまでウキウキし、ハワイ特集のガイドブックなどを買ってすっかりその気になっていたのに・・・。ということで、私のハワイの印象は「行けたのに」だ。映画を見ていると「ハワイっていいな〜」「ここに行けたかも」という思いが強くなる。もちろん、亡き息子に会いたい母の気持ちも、わかるけど・・・。10月19日公開。

監督・脚本:松永大司
原作:村上春樹「ハナレイ・ベイ」(新潮文庫「東京奇譚集」)
出演:吉田羊、佐野玲於、村上虹郎、栗原類、ほか

 ピアノバーのオーナーでシングルマザーのサチ(吉田)は、息子のタカシ(佐野)がハワイ・カウアイ島のハナレイ・ベイでサーフィン中、サメに襲われて亡くなったという知らせを受ける。息子の遺骨を受け取ったサチは、ハナレイ・ベイに向かい、海辺の大きな木の下にイスを置いて読書をして過ごす。タカシの命日にハナレイ・ベイを訪れ、同じ場所で読書をするようになって10年目のある日、日本人サーファー高橋(村上)たちと出会ったサチは、彼らに息子の姿を重ね、次第に親しくなっていく。ある日彼らから、片足のない日本人サーファーを見たと聞いたサチは、それがタカシではないかと思い、ハナレイ・ベイを探し歩く。


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-18 23:16 | Movie 映画 | Comments(0)

「サンマ道路」を知る

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昨日16日の北海道新聞夕刊に、いい記事が載っていた。
根室に「サンマ道路」と呼ばれる道路があるという。
もちろんこれは通称で、記事によれば
早朝、道路の片側だけが雨の後のようにぬれる現象をいう。

花咲港で水揚げされたサンマを運ぶトラックから
氷水が少しずつ流れ落ち、それが道路の片側だけをぬらしていく。
トラックが数台ならそうでもないが、
1時間に20〜30台も走れば水の量も多くなる。
だから写真のような、黒光りする道路がお目見えするというのだ。

なるほど面白いと思ったが、さらに
地元ではそれが豊漁の証しになっているという。
道路のぬれ具合を見て、大漁だとかそうでもないとか思うらしい。
人々が道路を見て交わす笑顔が浮かぶよう。
ということは、今年はやはりサンマが豊漁ということですな。

早朝の数時間しか見られない現象とのこと。
こういう、
地元だからこその“小さな話題”がたくさん読める新聞が、いいな。


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-17 09:12 | Other 他 | Comments(0)

映画「デス・ウィッシュ」

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 ブルース・ウィリス久々のアクション映画は、1974年の映画「狼よさらば(DEATH WISH)」の現代版。チャールズ・ブロンソンが演じた主人公ポール・カージーをクールに好演している。74年の作品のポールは設計士だったが、今回のポールは外科医が昼の顔。家族を奪われた復讐のために、夜の街へ繰り出して悪人を殺害する“処刑人”となり、世間の注目を浴びる。日本で言うなら“必殺仕事人”。
現代版らしいのは、銃を入手したポールが、銃の扱い方や組み立て方をYouTubeで学ぶところ。また、彼が悪人を殺害する場面を撮影した一般人が動画をYouTubeにアップし、拡散されていくこと。世間では当然のように、彼はヒーローか殺人鬼か、話題となる。
 現代ではテレビや新聞の報道よりネットニュースのほうが速い。警察が入手するような情報もSNSで拡散され、世間にいち早く広まってしまう。だから犯人も逃げやすいし、未解決事件は増える一方で・・・というのが本作でも描かれているところ。「警察は何をやっているんだ!?」と思い、「それなら自分で犯人を探し出してやる」と復讐鬼になる家族。
 正義のために、家族のためにと銃を手にしたはずなのに、次第に変わっていく主人公。何が善で悪なのか。それを決めるのは誰なのか。銃で幸せを守れるのか・・・。こんなにも簡単に“フツーの人”が銃を入手できて使いこなしていくこと、銃を持つことで変わっていく“人”が怖い。10月19日公開。

監督:イーラー・ロス
脚本:ジョー・カーナハン
原題:Death Wish
出演:ブルース・ウィリス、ヴィンセント・ドノフリオ、エリザベス・シュー、ディーン・ノリス、キンバリー・エリス、ほか

 シカゴの救急救命医ポール・カージー(B・ウィリス)。生死と隣り合わせの緊張する仕事場から、愛する家族が待つ家に帰って幸せをかみしめる日々。ポールの誕生日の夜、家族で過ごす予定だったが緊急の呼び出しがあり、ポールは病院へ出かける。買い物から帰宅した妻(E・シュー)と娘は自宅に潜んでいた何者かに襲われ、ポールの病院に緊急搬送される。だが妻は死亡、娘は昏睡状態に。警察も必死で捜査してくれるが、犯人はいっこうに見つからない。ある日、ひょんなことから銃を入手したポールは、YouTubeで射撃や銃の組み立て方を習得。夜の街に出かけ、車を盗もうとした強盗たちを追い詰めて殺害する。その様子を録画していた一般人が動画をYouTubeにアップ。「死に神」と呼ばれるようになったポールは、夜になると銃を持ち、街へ繰り出して犯罪者たちを抹殺していく。


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-17 07:30 | Movie 映画 | Comments(0)

「奇跡の本屋をつくりたい」を読んだ

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 札幌にあった「くすみ書房」はちょっと、いや、かなり個性的な書店だった。本書はその店主久住邦晴さんが「奇跡の本屋を作りたい」と思って書きためていた原稿を、久住さんの死後、本にしたもの。北大准教授時代に久住さんと出会い、久住さんが信頼していたという中島岳志さんが、久住さんの娘でカメラマンの絵里香さんに声をかけ、ミシマ社から出版された。

 私も「くすみ書房」とその関連の「ソクラテスのカフェ」には、取材を兼ねて何度か訪れたことがある。居心地の良さそうな、でも繁盛しているのかしらとちょっと心配になるような店だった。その後移転し、移転後も何度かのぞいたことはあったが、約70年の歴史を惜しまれつつ閉店したときは、本当に残念だった。
 今の世の中で、書店経営は「くすみ書房」に限らず厳しいだろう。札幌中心部でも昔からの書店が次々と閉店している。大手書店と違って個人経営の小さな店は大変。「くすみ書房」も経営難を乗り切るためいろいろ考えた。

 売れる本が多く並ぶ書店と対照的に、いい本なのに売れない本ばかりを並べた「なぜだ!? 売れない文庫フェア」の企画は面白かった。売れないから書店が扱わない、扱わないから人の目にも触れない、目に触れないから存在を知られず、知られないから廃刊になる。そんな忘れられそうな名作を集めた企画は大ヒットした。その後の「中学生はこれを読め!」「高校生はこれを読め!」もユニークなフェアだった。
 これらは、久住さんがいろいろな人のアドバイスを素直に聞き入れて企画。本書には、そんな久住さんの草稿や講演会の内容、中島先生の解説などが織り込まれているので、重複している箇所も多いが、子どもたちをはじめ本好きな大人たちのために「奇跡の本屋を作りたい」と願った久住さんの思いを感じる。家族や自身の病とも闘った久住さんが、挫折しかけたとき、資金繰りに大変なとき、どうやって乗り越えたかを読むと、先日書いた「こんな夜更けにバナナかよ」じゃないけれど、のほほんと生きてちゃ申し訳ないな〜と思うのです。

「奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの」久住邦晴 著(ミシマ社)


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-16 10:40 | Book 本 | Comments(0)

「ヘッセの読書術」を読んだ

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 某紙の特集で2年前、自分の「心の扉を開いた本」について取材したとき、アメリカ人のS氏が教えてくれたのが、ヘッセの「シッダールタ」。ヘルマン・ヘッセといえば、日本では「車輪の下」が有名だが、海外ではこの「シッダールタ」も知られているらしい。別のアメリカ人に聞いてみたが、やはり「ヘッセといえば『シッダールタ』」と言う。ネットの書評を見ても高評価。それでヘッセに興味を持ち(いいトシをして今更恐縮ですが)、2冊を購入したものの結局、読み慣れないせいかず〜っと“積ん読”チームだった。
そのうちの1冊に本書を選んだのは最近、本の読み方・選び方について、これでいいのか私!?と思っていたから。「古今東西の書物数万冊を読破した」読書家のヘッセ氏にご教授願おうと思った次第だ。
  
 読んでみると、140年以上前に生まれたドイツ人のヘッセ(1877-1962)がおすすめする本は、作家(特にドイツの作家)も書名も私の知らないものが多い。また当時の“書物のライバル”的な存在としてヘッセは、新聞やラジオを挙げている。新聞の連載小説についてはあまり良く思っていないようだけれど(笑)、新聞のニュース性については興味深いようだった。
本を所有することのこだわりや書棚への並べ方などは、書店員・出版社員だったヘッセだけに、なるほどと思えた。本の読み方・選び方についても「やっぱり、そうか」と気になっていたことを指摘された感じ。読むということの“質”を、活字と紙の良さを、改めて知った。
 本書でヘッセが紹介する本は各章ごとの最後に、タイトル、著者名、年代、内容などが資料としてついているので、詳しく知りたい人には良いガイドブックになるかも。私は飛ばして読みましたが・・・(苦笑)。「日本のある若い同僚に」という章があって、日本人から来た手紙に答えているのが興味深い。

「ヘッセの読書術」ヘルマン・ヘッセ 著(草思社文庫刊)


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-14 22:17 | Book 本 | Comments(0)

映画「日日是好日」

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 9月15日に亡くなった女優樹木希林は、私が日本の女優で一番上手いと思う、大好きな人だった。どんな役も、「その人」にしか見えない自然さ。本作の少し前に公開され海外の映画祭でも高評価だった「万引き家族」では、したたかで、でもやさしくて、いいおばあちゃん役だった。本作では、近所の気さくなお茶の先生役。茶道講師なので着物を着ているし、所作もきれいだが気取っていなくて自然体。適度に上品で、ちょっと大雑把。なんとも愛らしい「武田先生」を見事に演じていた。「ホント、上手いな〜」と思い、公私ともにクチコミ紹介していた矢先の訃報。日本の映画界はまた1人、上手い役者を失った。残念。
 原作は森下典子のエッセイ「日日是好日(にちにちこれこうじつ) お茶が教えてくれた15のしあわせ」。著者は大学生で茶道を始め、40年たった今も稽古に通っているという。「お茶」から学んだ人生の、日々の〝気づき〟が描かれており、茶道と無縁の私でもいろいろ気づかされた。たとえば、毎日を丁寧に生きること。物や事柄や人に、家族に、感謝して生きること。本作には日本の良いところが網羅されていること。
 作品の中の武田先生のセリフに、「こうして毎年、同じことができることが幸せ」というのがある。私も記事やクチコミで紹介するほど好きな場面・セリフだけれど、樹木希林が言うとしみじみと「ほんとですね〜」と思える。特に今回のように台風や地震、停電、断水に遭った道民としては、日々当たり前に思っていたことがどれほど貴重だったことか思い知った。同じことが当たり前にできることこそ、幸せなのだ、と。今年の邦画ベスト3に入れたい作品。

監督・脚本:大森立嗣
原作:森下典子「日日是好日 お茶が教えてくれた15のしあわせ」
出演:黒木華、樹木希林、多部未華子、ほか

 20歳の典子(黒木)は、いとこの美智子(多部)と武田先生(樹木)の茶道教室に通うことに。作法の意味も理由もわからず戸惑う2人だが、「頭で考えないで」「まず、形をつくるのよ」と温かく見守る武田先生。やがて就職した美智子はお茶を辞め、結婚。典子はお茶を好きになってはきたが、一方で限界を感じ始める・・・。

 四季折々の風情を感じる庭や花生け、掛け軸、茶菓子。五感を使って全身で〝いま〟を味わう「お茶」の世界は、深い。武田先生のセリフの「教えることで教わることが、たっくさんあるのよ」にも、「そうですよね〜」と思った。何か一つのことに一生を賭けることの強さと潔さ。たとえ日常生活では困らない知識や作法でも、そのワケを知ると「ああ、日本人だなぁ」と思う〝和ごころ〟。茶道に限らず、「形」から入ることが多いのが、日本の伝統文化だ。私の好きな着物の世界も、そう。知らなくてもいいし、その通りにやらなくてもいい作法だが、それをするワケを知ると、日本人の、もてなしの心に感動する。「どうでも・どっちでもいい」ことでも、美しいほうがいいもんね。10月13日公開。


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-13 19:54 | Movie 映画 | Comments(0)

「こんな夜更けにバナナかよ」を読んだ

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 映画が公開されるというので、やっと原作を読んだ。著者は札幌在住のフリーライター渡辺一史さん。個人的に面識はないが、2003年に発刊された本が当時話題となったので、お名前は存じ上げておりました。その文庫版を購入。映画化が決まったせいか、白地に黄色のバナナだけというシンプルな表紙に、主演の大泉洋の写真がついた黄色の帯がかけられていた。これがまた、売れるのだろうね。

 体のほんの一部しか動かせない筋ジストロフィーの鹿野靖明さんと、彼を支えるボランティアの日々を描いたノンフィクション。自宅で日々を送りたいという鹿野さんの強い思いをかなえ、主婦や学生、“厚底靴を履くような”女の子たちが彼の元に集まる。彼らを集める(募集する)のも鹿野さん。24時間体制の看護が必要なので、早朝、昼間、深夜などシフトを組むのも鹿野さん。そして、自分の介護の仕方をレクチャーするのも鹿野さん。普通の人でさえ大変なこれらのことを、ほとんど体を動かせない鹿野さん自身が行う。その壮絶さを思うと、「生きる」ことへの強い気持ちを感じずにはいられない。私たちはこんなに、「生きたい」と思って日々を過ごしているだろうか。「生きている」のが当たり前だと思っていないか。なんとしても生きたいと思うからこそ、「わがまま」と取られる要求もするし、ボランティアに媚びることもしない。ボランティアが彼の元に次々と集まってくるのも、そんな彼に何か引かれるところがあったからだろうと思うのだ。

 解説を書いているのは、脚本家の山田太一。「564頁の、どの頁をひらいても、読む人の心に届くなにかがきっとある本です」と帯に書いている。解説の冒頭部分では、「これはまったく、よくある本ではない。凄い本です。」と書いている。山田太一にそんなことを言われたら、ライター冥利に尽きますね、渡辺さん。

 映画で鹿野さんを演じるのが大泉洋というのは、なるほど適役な気はする。「北海道が生んだスーパースター」であり、私も大好きな、上手い役者ではあるけれど、さすがに最近ますます出過ぎな感が・・・。あれもこれも、映画もドラマもCMも、主役もちょい役も声優も、出過ぎ。体は大丈夫かな〜、洋ちゃん?

「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」渡辺一史 著(文春文庫刊)


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# by kikimimi_asabuya | 2018-10-12 22:40 | Book 本 | Comments(0)

札幌在住ライターの映画と本と綴りごと


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